ヘアバームブームの火付け役となった「ザ・プロダクト ヘアワックス」。
アメリカから入ってきた当初爆売れして、話題を呼びました。
ただこのプロダクトワックス、
「髪が臭くなる」「油臭い」
など匂いに関しては悪い口コミも目立ちますよね。
ネット上では、
「時間が経って油が酸化してるんじゃないか」
「古いからしょうがない?」
「新しくても臭いんだけどどういうこと??」
と色々な原因推測をされていますが、元ヘアケア開発者である筆者がプロダクトが臭い理由の答えを出します!
全成分を見れば、ある程度のことは分かるのです。
プロダクトが臭いのを何とかする対策としてはどうすればいいのか解説していきます。

この記事の監修者
▷元ヘアケア開発者さりー
▷香料アレルギーでメーカーを退職
▷開発者と美容師による美容メディア
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プロダクトワックスが臭いのを防ぐ対策はある?

正規ルートで新品のプロダクトワックスを買ってきて、容器に入ったワックスの匂いを嗅ぐとちゃんといい香りがする。
でも、髪につけたとたんに臭くなる。
結論から言うと、残念ながらこの現象そのものを防ぐ方法はありません。
ただ、臭くなってしまった状態をなんとかする対策は考えることができます。
ローズやネロリは比較的香りが残る
プロダクトワックスは、有名な青いタイプだけでなく、香り違いの商品が発売されています。
シトラス系の香りである青のプロダクトワックスより、ダマスクローズやネロリの香りの方が、比較的香りの持続性があります。
ネロリの香りはスパイシーで独特な香りで、臭いと言われることもある好き嫌いの分かれる香り。
個人的にはダマスクローズがおすすめです。
プロダクトワックスが臭くて困っている方は、香り違いを試してみてください。

好きな香水でごまかす
プロダクトワックスがすぐに臭くなるメカニズムは後ほど解説します。
が、今髪が臭くなっている状態をなんとか解消したい!
という方ができる対策は、香水をつけることです。
要は、油臭いにおいを香料でマスキングするのです。
意外と香りが喧嘩することはありません。
好きな香りならなんでもいいですが、あえて言うなら
シトラス系やローズマリーの香りが油脂臭のマスキング力が高いと言われています。
ラノリン臭には、ネロリ、プチグレンの香りが、その他の油脂臭にはオレンジなどのシトラス系、アルデヒディックフローラルの香りがマスキング性を発揮する。ローズマリー、pennyroyal はいずれの化粧品原料に対してもマスキング効果がある。
香料(標準技術集), 特許庁
オーガニックにこだわるあなたにおすすめなのは、
100%天然精油を使った香水ブランド『 トコトワ 』。
香料アレルギーで合成香料がしんどい筆者も、精油なら心地良いんですよね。
ハードルが高かったらミニサイズのお試しセットから試してみるといいかもしれません。
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偽物を買わないように注意
プロダクトワックスの匂いが変だなと感じる原因として、偽物でないかどうかは確かめておく必要があるでしょう。
超人気商品となったプロダクトワックスは、主にネット通販で偽物商品が出回っています。
偽物の見分け方は公式HPで解説されていますので詳細はこちらでご確認ください。
容器ラベルの色が違ったり、漢字の表記がおかしい、中身の色が違うなど、明らかに見て分かる違いがあります。

何かおかしいな?と感じたら確認してみてください。
プロダクトワックスが新品でも臭い理由
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プロダクトワックスが臭くなりやすい理由。
それは、全成分表示を見たら分かります。
ここでは最も有名な、青い容器のタンジェリンの香り(柑橘系)のプロダクトワックスの全成分を見ていきます。

ザ・プロダクト ヘアワックス全成分
シア脂、ミツロウ、トコフェロール、マンダリンオレンジ果皮油、アロエベラ液汁*、クエン酸
主成分はシアバター(シア脂)とミツロウ。
香料にマンダリンオレンジ果皮油を使った、見た感じも天然由来100%のワックスですね。
全成分から分かるプロダクトワックスが臭くなる原因は「香料がオレンジ果皮油だけだから」です。
精油(天然香料)で賦香されている
合成香料と精油(天然香料)の違いは何かご存知でしょうか。
通常多くの化粧品は「合成香料」で複雑な香りを表現することが多いです。
こんな香りピラミッドを見たことがありませんか?

合成香料の複雑な香りは、色んな香りがバランスよく配合されています。
香りの種類はトップノート、ミドルノート、ラストノートと香り成分の持続性で分類されます。
トップノート→10分くらいで揮発
ミドルノート→30分~2時間くらいで揮発
ラストノート→2時間~香りが消えるまで
したがって合成香料の場合、トップノートが飛んでも他の香り成分が残ってくれるので、何かしらの匂いは残ります。
シトラス系の香水でも、はじめはふわっと爽やかな柑橘の香りがしても、時間が経つとちょっと匂いが変わったな?と感じるはずです。
これは、シトラス系の香りはほぼトップノートだから。
10分くらいで香りが飛んでしまう性質なのです。
青のプロダクトワックスはシトラス系で飛びが早い
一方で、プロダクトワックスは、トップノートに分類されるオレンジの香りの精油単体で香りづけされているので、10分くらいで飛んでしまうと香りが何も残らないのです。
場合によっては、ワックスとして手のひらで擦った摩擦で数分で飛んでなくなることもあるでしょう。
天然成分のみで作られた商品ではどう頑張ってもこれを防ぐことは難しいです。
ミドルノートに分類される香りのため、シトラス系よりも香りが持続するのです。

臭いのは原料臭
では、オレンジの精油の香りが飛んだら何のにおいが残るでしょうか。
原料の基剤臭が残ります。主にシア脂とミツロウですね。
この内、シア脂は「油臭い」ともとれる独特の原料臭がします。
ミツロウはほぼ無臭なので、臭いの犯人はシア脂といえるでしょう。
ただこれはメーカーも認めている「天然の匂い」なので、これを自然な香りと取るか、臭いと感じるかは人による、ということでしょうね。
つまり、プロダクトワックスを髪につけると臭くなる理由は
①手のひらでワックスを擦った時に香り成分がほぼ揮発
②香り成分の飛んだワックスを髪に塗布
③主成分であるシア脂の原料臭がにおう
ということです。
油が酸化している可能性は?
ネット上では臭い原因は油が酸化しているのでは?という推測もありました。
が、主原料であるシア脂は不飽和脂肪酸を多く含む原料で、かつ固形なので植物油脂の中では比較的酸化しにくいと言えます。
とはいえ、ワックスを開封して空気に触れ始めた時から油の酸化は進行します。
プロダクトワックスの使用期間は製造から3年ですが、これは未開封の場合。
一般的な化粧品なら開封しても3年くらい持つこともありますが、天然成分100%のプロダクトワックスなら、1年くらいで使い切ることをおすすめします。
保管は、日光が当たらないなるべく涼しい場所で保管しましょう。
バスルーム前の脱衣所などは、浴室乾燥や衣類乾燥機で意外と温度が上がるので注意が必要です。
まとめ
ザ・プロダクトワックスが臭い理由・原因と対策をご紹介しました。
プロダクトワックスは、精油単体で香りがつけられていて飛びやすく、かつ主原料であるシア脂の独特の油臭さが残るため、臭くなりやすいです。
臭くなってしまった状態をなんとかする対策としては、香水などでカバーすること。
根本的な対策としては、香りが持続しやすくシア脂が控えめの他のバームを検討することです。

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